「世界大異変――現実を直視し、どう行動するか」ジム・ロジャーズ まとめ
- 2022/07/25
世界的投資家にロングインタビュー、緊急出版!アフターコロナの世界経済、国際政治はどう動くのか。株バブルの行方、商品の時代の再来、円安、インフレ、資産防衛…最良の一手とは?驚愕の未来予測!
【主な内容紹介】
▼バブル終焉のサインは至るところに表れている
▼空前のIPOブームもバブル崩壊で終わりを迎える
▼グローバル経済の終わりは、欧米諸国を衰退させ中国を有利にする
▼環境社会へのシフトは、日本産業にとって最大の危機になる
▼「国際金融都市構想」は日本の本気度が試されている
▼インフレで「商品の時代」が再びやって来る
▼金や銀への投資は今からでも遅くはない
▼10~20年の視点で見た場合、日本人は何に投資すべきか
【本書の目次】
第1章 巨大バブルの崩壊は目前に迫っている
―世界的金融緩和の代償は戦後最大の経済危機へ
第2章 ウクライナ侵攻で、世界はどう変わるのか
―西側諸国は優位を失い、中国の影響力が大きくなる
第3章 円安・インフレ時代、日本人のための資産防衛術
―「日本終了」に備えたプランBを準備せよ
第4章 絶望の中で投資の絶好機はやってくる
―「逆張り」でリターンを上げてきた私の投資法
P12
お金を印刷し続ければ続けるほど、次のクラッシュがよりひどいものになる。そして、数多くの国家が痛手を負うことになるが、その中で一番ダメージを被るのは日本になる。
P19
バブル時には「今回は違う、あなたはそれを理解できないのだ」という発言を耳にする。しかし、私の経験では、今回もいつもと同じなのだ。
P34
現在の経済、社会は、若い人にとっては損ばかりだ。私のような高齢者は、世界同時に拡大する借金生活を楽しむことができるが、そのツケをいつの日か、若い人たちが払うことになる。アメリカでも欧州でも日本でも、巨額の借金をしている国の若い人は本当に気の毒だ。私なら、債務の少ない国に脱出するか、徹底的に自己防衛する手段を学ぶ。
P63
EVメーカーや自動運転関連企業の株は保有していないが、EVの生産に不可欠な銅やその他金属関連の株には投資している。
P69
歴史を遡れば、1920年代にイギリスより豊かな国は存在しなかった。しかし、税金を引き上げていくうち、50年後の1976年に国家が破綻した。日本も何か手を打たなければ、50年後、いやもっと早くに破綻してしまうだろう。ポルトガルやスペインも、かつては豊かで成功した国だったが、現在、その面影はない。増税をすれば国家は衰退するというのは歴史の法則なのだ。
P79
戦争のような危機に見舞われた際に、政府が伝える真実には懐疑的であるべきだ。コロナ禍は戦争ではないが、危機的状況という意味では似たような状況であり、危機が起きたときには最初の犠牲者は真実になる。
P84
1990年代の前半に日本ではバブルが崩壊し、政府は巨額の借金をして、数多くの企業を救済した。そこから日本の失われた10年が始まった。そして、それは10年どころか、また10年、次の10年と続き、株価は30年以上経った現在でも、最高値を40%ほど下回っている。90年代の同時期に、スウェーデンでも金融危機が起きたが、政府は多くの企業を救済せずに破綻させた。1~2年ほどは苦境にあえいだが、その後は急速に回復し、今では株価も90年代のピークをはるかに上回っており、国家財政も日本よりはるかに健全だ。別の例を挙げよう。1920年にはアメリカは不況だったが、中央銀行が利上げを行い、財政の改善を図った。その後数年間、アメリカはとても苦しんだが、20年代の後半には驚異的な経済成長を遂げた。当初の数年間は破綻の痛みを受けることになるが、その後は大きく回復したのは日本とは大違いだ。バブル後遺症からの再生はこの手法が最善策だ。誰も苦しみを味わわないで再生することは不可能なのだ。
P97
人件費という問題だけならば、たしかに円安が進むことで不利な条件は解消されるかもしれないが、問題はそう簡単ではないだろう。何より技術革新を起こす能力で日本が劣ってしまうのではないだろうか。そして、それ以前にハングリー精神のようなものを失っていないだろうか。
P103
歴史上、財政赤字で窮地に陥った国はたくさんあるが、いずれもきちんと返済できた例はない。ブルボン朝時代のフランス、大戦間期のドイツ、戦後の日本、最近では財政破綻した旧ソ連がそうである。みな猛烈なインフレに襲われ、国民の資産価値は大きく失われることとなった。
資産の一部を円とは別の通貨に分散することを強く勧める。面倒くさいことが嫌いな人は、海外の株や債券のETF投資などを行えばよい。
P113
多くの人は、株価が大暴落した1929年の10月24日を鮮明に記憶しているが、その日が景気の底だったわけではなく、そこから10年間、アメリカの苦悩が続いたことは知られていない。株価で言えば、大暴落の日から3年後の1932年に底値をつけている。
P119
私は、インフレが続くと見ているので、ポートフォリオには必ずある程度、商品を組み込んでおくことをお勧めする。
P119
インフレ時には不動産投資も有効だが、私は不動産を買おうと思わない。近いうちに金利が上昇すれば、不動産にとってはネガティブだ。基本は、現在、自分と家族が住む家一軒だけ買って所有できれば十分だと思っている。ちなみにREIT(不動産投資信託)についても同じ考えだ。REITの魅力は分配金の高い利回りだが、金利が上がれば不動産価格とともに下がると考えるので、あまり手は出したくない。
P122
私は、金と銀であれば、今は銀を選んでいる。両方とも保有しているが、金に比べ、銀は相対的に割安だと思っているからだ。
P125
自分のスタイルを見つけることだ。自分を信じ、自分で判断することを何年か続けていくと、自分の投資スタイルがぼんやりと見えてくる。そうなれば、勝てる機会がおのずと多くなるものだ。
P130
投資は自分で調べて行うべきだ。これまでの経験上、他人の言うことに耳を傾けると損をするとわかっているからだ。
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