「分子栄養学のすすめ」
P21
コンディションが良ければ良いほど、その一日の価値は高いのです。
P95
ビタミンCが協同因子となる代謝を挙げてみると、およそ次のようなものになります。
・コラーゲン合成
・副腎皮質ホルモン合成
・インターフェロン合成
・チトクロームP450合成(薬物の解毒)
・免疫グロブリン合成
・コレステロール分解
・ヒアルロニダーゼ抑制因子合成(ガン抑制)
・ジメチルニトロソアミン合成阻害(ガン抑制)
・菌毒素不活化
・リパーゼ活性化
・グリコーゲン合成
・ブドウ糖吸収抑制
・一酸化炭素毒性緩和
・汚染物質毒性緩和
・重金属毒性緩和
・知能指数上昇
・分裂病改善
・鬱病改善
・排卵促進
・分娩時間短縮
・コーディング
・活性酸素除去
こんなにもいろいろあるビタミンCの作用が、どのような優先順位で現れてくるかは、興味ある問題です。しかし、そんなことを問題にせずにすます方法があります。十分に大量のビタミンCを摂る、という方法です。
P146
神経系の働きとビタミンとの関係については、およそ次のようなことが知られています。
ビタミンB1が不足すると
食欲不振になる。おこりっぽくなる。記憶力が減退する。音に過敏になる。
ビタミンB2が不足すると
うつ状態になる。
ビタミンB6が不足すると
集中力が低下する。暴力を含む異常行動が現れる。
ビタミンB12が不足すると
集中力が低下する。記憶力が減退する。知覚障害が起きる。手足がしびれる。
ニコチン酸(ナイアシン)が不足すると
いらだちや不安感が起きる。おこりっぽくなる。不眠になる。
ビタミンCが不足すると
知能が低下する。
ビタミンH(ビオチン)が不足すると
うつ状態になる。幻覚が現れる。
「食品の正しい知識」
P42
ガンマリノレン酸の効能
・血管拡張作用
・血圧降下作用
・血小板凝集の抑制
・サイクリックAMPの増産
・コレステロール合成の抑制
・関節炎などの炎症の抑制
・T細胞の活性化
・肝障害の予防
・細胞の異常増殖の抑制
ガンマリノレン酸そのものが、このような作用を表すわけではありません。それが1系統のプロスタグランディンになって、初めてこういう目覚ましい働きをするのです。
P44
牛乳も飲まず、月見草油を飲むでもなし、バターも食べないとすると、その人は1系統のプロスタグランディンを作ることができません。
月見草油の効能として知られているものを、ここに書いておきます。
ダイエットによらない減量、湿疹の改善、唾液や涙の分泌正常化、生理痛の改善、多発性硬化症の改善、多動児の挙動や機能の改善、爪の改善
P128
キノコの抗ガン活性研究(国立ガンセンター研究所)
(アガリクスなどと比べて)もっとすぐれた抗がん活性が、身近なキノコにかくれていることを発見したというのです。それはエノキタケやブナシメジでした。
「老化と活性酸素」
P32
活性酸素を作るのは紫外線ばかりではありません。ストレスもそうです。ストレスがあると、身体は副腎皮質ホルモンを出して、ストレスに負けまいとします。ところが、副腎皮質ホルモンの合成にも分解にも、活性酸素がついて回ります。だから、ストレスは強制老化の犯人といってよいのです。ストレスがあればそのつど老化がすすむ、と考えて間違いありません。
感染もまた、よけいな活性酸素発生の原因です。風邪をひいてもウィルス性肝炎にかかっても、よけい活性酸素が出てきて、老化を強制するということです。
P191
長寿の秘訣は、強いストレスを避け、激しいエネルギー消費を避ける一方、活性酸素の除去に意識的に取り組んで、余剰活性酸素の量をできるだけ少なくすることです。
「ガンは予防できる」
P105
過酸化脂質をもっているおそれのある食品は、冷凍マグロ、干物、煮ぼし、しらす、かりんとう、ポテトチップス、インスタントラーメンなどの古くなったもの、日なたにおいたものなどです。油を含んだスナック菓子なども、この仲間です。
P137
活性酸素のスカベンジャー
スーパーオキサイドに対しては、
SOD・ビタミンC・ユビキノン(コエンザイムQ10)
過酸化水素に対しては、
ビタミンC・カタラーゼ・グルタチオンペルオキシダーゼ
ヒドロキシラジカルに対しては、
カロチノイド・ビタミンE・ヒスチジン・グルタチオンペルオキシダーゼ・女性ホルモン・尿酸
一重項酸素に対しては、
ビタミンA・ビタミンB2・ビタミンC・ビタミンE・SOD・メチオニン・ヒスチジン・トリプトファン・カロチノイド・グルタチオンペルオキシダーゼ・女性ホルモン・尿酸・ビリルビン
P138
ガン予防の条件
第1は、活性酸素の発生量を、できるだけおさえること。
第2は、身体に発生する活性酸素を、できるだけ十分に除去すること。
具体的には次のようになるでしょう。
1、X線、紫外線、過酸化脂質を含む食品や医薬、添加物を含む食品、農薬を含む植物性食品、およびストレスをつとめて避けること。
2、カロチノイドが多く含まれているニンジン・カボチャ・卵黄・魚卵と、ゴマや緑茶をつとめて摂ること。
3、ビタミンC・ビタミンE・ビタミンB2などを、食品から摂るもの以外に追加して摂ること。
「成人病は予防できる」
P20
老人はとかく、肉を遠ざけて菜食に走るのをよしとする傾向がありますが、老人の追跡調査の結果、菜食主義者がもっとも短命と分かりました。
P124
長寿者に共通な食品はカボチャです。これは、カロチノイドの一種、ベータ・カロチンの供給源としての価値です。
P151
すべての薬剤は体内で分解される運命をもっていますが、解毒と呼ばれる「薬物代謝」そのものが、生理的負担となります。というのは、ここに働く酵素チトクロームP450が、代謝過程で活性酸素を発生するからです。
高血圧症の患者は、余病をもっている場合がめずらしくありません。この余病が、降圧剤の常用からきている可能性は、小さくないといえるでしょう。
降圧剤として最初に与えられるものは、たいてい「利尿剤」です。これにはサイアザイド剤とフロセミド剤がありますが、前者の方が強いといわれます。サイアザイド剤が腎不全を招いて、死ぬことがあるといいます。
高血圧症患者が、糖尿病になるケースがあります。この半数は、サイアザイド剤が誘発した糖尿病だといわれます。この降圧剤をやめれば、血糖値が正常値に戻るケースがあるそうです。サイアザイド剤には、心筋梗塞を誘発することがあるともいわれます。
利尿剤は、腎臓に働きかけるわけですが、腎機能を低下させるケースがあります。腎不全には至らなくても、痛風を起こす例があります。
「高たんぱく健康法」
P26
タンパク質の不足は腎機能の低下をもたらし、濾過作用を鈍らせる。それをカバーするために血圧が上がる。
P123
ビタミンCの一日必要量が10グラムの人は、大量摂取を心掛けない限り、ビタミンCが不足するから、風邪を引きやすい。この人は、毎日10グラムのビタミンCを摂る習慣を付けた時、風邪を引きやすい体質から脱出したことになる。体質の弱点は多くの場合、ビタミンの補給によってカバーできる。
「ビタミンC健康法」
P169
ビタミンCを大量に摂れば頭が良くなる。血中ビタミンC濃度が50パーセント増えると知能指数が3.6だけ上昇する。
「ビタミンE健康法」
P53
ビタミンEは、鉄の触媒作用によって酸化するといわれる。両者の摂取を時間的にずらせば良い。ビタミンEと鉄とは、最短8時間離したい。
P173
霜やけに悩まされる人の手や足の皮膚は、低温では容易に血行が悪くなる。寒冷昇圧度が異常に低いのである。ビタミンEは寒冷昇圧度を正常化するばかりでなく、血液の粘度を下げて血行を改善する。このことによって霜やけが治るのである。
P193
貧血の治療には、よく鉄剤が使われる。しかし、第一に補給すべきものはタンパク質である。多くの貧血はタンパク質の摂取だけで治る。しかし、鉄やビタミンEの投与で改善が促進されることは事実である。
P200
不整脈の対策としては、コエンザイムQ10の投与が直接的であるが、ビタミンEも、有効と考えてよい。ビタミンEがミトコンドリアで重要な役割を演じていることは、これが欠乏すると、ミトコンドリアが変形して大きくなることで裏書きされる。一日量300ミリグラムのコエンザイムQ10を、3週間にわたって運動選手に投与した実験がある。その効果は、最大運動負荷量の増加、酸素消費量および心拍出量の減少、血中乳酸値の低下であった。エネルギー産生の効率が高まり、酸素が節約されたということだ。
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