P81
一般的に考えられているのとは反対に、脂質の摂取割合の高い人は死亡リスクが低くなり、糖質の摂取割合が高い人は死亡率が高かった。
P83
糖質摂取後の血糖値スパイクと、その後の血糖値の急低下による自律神経の乱れは、糖尿病などの生活習慣病だけでなく、パニックやうつなどの精神症状にも深く関係しています。
P102
主な神経伝達物質の合成経路を見ると、上流に位置する全ての反応にはナイアシンが補酵素です。

この合成経路におけるナイアシンの重要性を考慮すると、統合失調症だけでなくあらゆる精神症状の改善のために、ナイアシンの補正は基本になることが理解されます。
ビタミンB6は最終的な神経伝達物質の生合成の過程の補酵素です。そのため、ビタミンB6の不足は、多くの精神症状の原因になります。
GABAは抑制系の神経伝達物質の代表で、GABAの不足は、不安や神経過敏を起こしたり、睡眠の質の低下によって、悪夢が増えたり中途覚醒が増えたりします。
脳内で作用する神経伝達物質は、食べ物などから摂取しても血液脳関門を通過することができないため、直接的に作用することはないと考えられています。
P112
グルテンとカゼインは、腸の粘膜を刺激する代表的な食材です(小麦製品と乳製品)。「グルテンフリー・カゼインフリー」は自閉症や発達障害のお子さんに、古くから推奨されている食事方法なのです。
P129
大学生に数学の難問を解かせ、その前と後での尿を比較したところ、実験後はビタミンBの代謝産物が多く排出されたそうです。長く集中することを求められたり、緊張を強いられると、ビタミンBは大量に消費されるのです。大学受験で過度の集中を繰り返し、大量のビタミンB群を消費してしまった学生さんたちには、決まった症状が現れます。疲れやすくなり、集中が続かなくなります。さらに寝つきが悪くなり、寝てもスッキリした感覚がなくなり、ときにリアルな夢が増えてきます。また、音や光などに敏感になってしまい、雑踏が苦手になり、教室に入ることにも抵抗感を感じるようになります。
P156
鉄は、経口摂取している限り、小腸のゴッドハンドによって吸収が抑制され、過剰症になる心配がないというのが常識でした。ところが、アミノ酸キレート鉄(フェロケルなど)をサプリメントで摂取すると、人が本来持っている鉄過剰を防ぐゴッドハンドの調整が効かない状況になってしまうようです。
P162
常に少し多めの栄養素を経口摂取し、あとはゴッドハンドである腸の吸収に任せることが大切である。
P220
グルタミンは小腸の粘膜が消化吸収するためのエネルギー源になります。またストレスや病態時には、グルタミンの需要が亢進することが知られています。グルタミンは気道や鼻腔(びくう)の粘膜にも必要であり、免疫の主役であるリンパ球も、グルタミンをエネルギー源としているため、風邪をひきやすいような方にもグルタミンは有効です。さらにグルタミンは、興奮系の神経伝達物質のグルタミン酸と、抑制系のGABAという、相反する2種類の神経伝達物質の材料でもあり、脳の機能の安定化には必須のアミノ酸です。
P225
めまい、肩こり、頭痛、疲れやすい、ニキビや肌荒れ、さらには抑うつ症状やパニック症状など、女性に多く見られる愁訴の背景には、鉄不足が関係していることが多くあります。
P226
亜鉛は200種類以上の酵素反応に関与しています。亜鉛不足は男性不妊の原因にもなります。亜鉛は日常生活のストレス、飲酒、糖質摂取などによって消費され欠乏しやすくなります。また、食物繊維やフィチン酸(玄米に含まれる)によって亜鉛の吸収は低下してしまうため、健康志向の菜食中心の場合には、重度の亜鉛欠乏になっていることが多くあります。
P230
ビタミンD3
骨粗鬆症、じんましん、アトピー性皮膚炎などのアレルギー関連疾患、リーキーガット症候群も含んだ腸の不調や免疫の低下、発達障害やうつ病、統合失調症などの脳のトラブル、がんの患者さん、さらには不妊症などへもビタミンD3は応用されます。
本当に多くの疾患の改善につながります。粘膜が改善し、風邪をひきにくくなり、あらゆるアレルギーが軽減します。
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