本多静六氏の人生訓を読んだ。
- 2013/07/29
「自分を生かす人生」が要点がまとまっていておすすめ。↓の2冊もほぼ同じ内容(若干量が少ない)。
↓はもっと詳しく書いてあるが少し冗長。
■内容まとめ
・仕事に努力して得意にして面白みを感じるようにする。
・収入の4分の1を貯金する。
・好景気時代には勤倹貯蓄、不景気時代には投資。
・個人間で金の貸し借りはしない。保証人にもならない。
・家庭内で意見が一致しない場合はジャンケンで決める。
以下は要点のまとめ。
「成功するために必要なシンプルな話をしよう」
自分もテーブルに鏡を置いて、食事する時に自分の顔を見ながら食べてる。鏡で自分の顔を見てると自然に好印象な表情を作るので多少イケメンになる気がする。P42
職業の道楽化
職業を道楽化する方法はただ一つ努力にある。
はじめの間こそ多少の苦しみはあるが、すべての歓喜も幸福も努力を通してはじめて得られることを自覚し、自分の職業を天職と確信し、迷わず専心努力するにおいては、「断じて行えば鬼神もこれを避く」とか、「精神一到何事か成らざらん」といわれるとおり、いずれ必ず仕事がよくわかってきて上手になる。
上手になるに従い、はじめは自己の性格に適していないように思われた職業も、しだいに自分に適するようになり、自然と職業に面白みを生じる。一度その職業に面白みを持てば、もはやその仕事は苦労でなく道楽に変わる。
P182
古人も「思い内にあれば色外に現れる」と言われるように、人相は精神の現像であるから、人相上から気質を判断することは正当かつ便利であると信じる。したがって、私は自宅の机上にも学校や会の机上にも、必ず鏡を置き、常に自分の人相を見て自分の悪癖の出るたびにすぐにこれを直した(もちろん現在も書斎の机上に鏡は置いてある)。
しかも私は細かい欠点だからといって容赦することなく、見つけたらただちに断固としてこれを取り除くことにしている。なおまた自分の悪癖矯正の方便として、反対の性癖を身につけることにも努めた。すなわち陰気な性癖を直すために、努めて陽気になり、人の短所欠点を見る癖を直すために、人の長所美点を見出す癖をつけたのである。
「私の財産告白」
P45
本田式株式投資法「二割利食い、十割益半分手放し」
株式といえば、当時は証拠金売買の投機がさかんで、実力不相応な思惑をやって、大金を掴んでもたちまち失敗して悲惨な境遇に陥る人が多かった。これはすなわち投機で、私は絶対にとらないところである。
そこでまずある株を買おうとすると、いつもその全部の買受金を用意してかかった。もっとも買付けは取引が容易な点から常に先物を選んだ。―いかに値下がりしても、全部の買受金が用意してあるからビクともしない―そうして、それが引き取り期限のくる前に思いがけぬ値上がりがあった場合は、買値の二割益というところで、キッパリ利食い転売してしまった。それ以上は決して欲をださない。そうして二割の益金を元に加えて銀行定期に預けなおした。
次に、いったん引き取った株が、長い年月の間に二倍以上に騰貴することがある―反対に値下がりすることもあるが、この場合無理のない持ち株だからいつまでも持ちつづける。したがって絶対に損はしない―そのときはまず手持ちの半分を必ず売り放つ。つまり投資の元金だけを預金に戻して確保しておく。したがって、あとに残った株は全くただということになる。ただの株ならいかに暴落しても損のしっこはない。これがいわゆる「十割益半分手放し」という法だ。
投資戦に必ず勝利を収めようと思う人は、何時も、静かに景気の循環を洞察して、好景気時代には勤倹貯蓄を、不景気時代には思い切った投資を、時機を逸せず巧みに繰り返すよう私はおすすめする。
P72
貸すな、借りるなの戒律
少しばかり金が残り財産ができてくると、すぐもう「貸せ」という人が出てくる。
初志貫徹の障害はこんなところにも待ち伏せている。これをうまく切り抜けるのが一苦労だ。昔から金の貸借にはいろいろな戒めがあって、「借主となるなかれ、また貸主となるなかれ、貸主は金と友人とを同時に失う」とシェイクスピアなどもいっている。もちろん、借金の申し込みにはいちいちもっともな理由がある。抜き差しならぬ持ち込みがある。しかし、親戚知友に対する金銭上の貸し借りは、その金ばかりではない、大切な友人や親類をも失うもととなるので、いかなる場合にも金を貸借しないに限る。私もいままでにはずいぶんこの禁を破って金を貸した。ことに友人などから困窮の事実を訴えられると、つい気の毒になって金を出したものである。ところが、気の毒だと思って貸した金で、その金が生きた例がほとんどない。いろいろな人に、いろいろな場合の申し込みをうけると、初めてのことで僅かの金高だからとか、せっかくわざわざ頼みにきたのに気の毒だからとか、最初のうちはいつも貸す気になった。そのほとんどすべてが失敗で、自他共に失うところがすこぶる大きかった。
ともかく、一度金を借りにくるくらいの人は、必ず二度、三度と借りにくる。そのときには再び貸さねば先の分まで死ぬということになって、再三無理をして貸し出してしまう場合が多い。そうして、自分にもこれ以上、もう貸す力がなくなるという頃には、いつしか切っても切れないという深い関係に陥ってしまう。こうして世の中の人々の多くが、善意に始まって、ちょっと金を融通したことからついに自分までも倒産の憂き目をみるに至るものである。私もここのところに気付いたため二度目にキッパリと断り、最初の恩借を無視されたばかりでなく、かえって大いに怨まれた場合さえしばしばあった。
いずれにしても、少し金ができてくるとだれにも必ずこの貸借のトラブルが起きてくる。こうした際、何人も心を鬼にして最初から一切融通に応じない方針を厳守するよう、私は私の体験からみなさんにおすすめする。またそれが本当にお互いのためでもある。
なお金を貸したり、儲け口に出資したりする以上に気をつけなければならぬことは、金融上の保証人となり、連帯の印を捺したり、裏書の判を引き受けたりすることである。親戚知友などの懇意な間柄では、よく、ちょっと君が一ト判請け負ってくれさえすれば僕の事業も助かり、数日内に金も返せるから君にも決して迷惑はかけないと持ち掛けられることがあるが、うっかり請け判をしたためにとんだ目にあい、ついに一生涯それで苦しめられる人が少なくない。私の友人である知名の大学教授のごときは、この手にかかり僅か数百円の借用証文に保証人の判を捺したばかりに、その証書が高利貸しの手に渡って転々とし、僅か五年そこそこのうちに数万円の巨額となり、その利息を払うだけに、生涯月給の差し押さえを食い続けていたが、恐るべきは正にこの請け判である。だから、やむを得ず、自分の持ち物を売り払って金を出すことがあっても、決して他人の借金証書などに判を捺すべきではない。
「私の生活流儀」
自分は寝る前に海外ドラマを見ながら腕振り運動を1時間半やってる。軽いスクワットやシャドーボクシングも入れると全身運動になっていい。これをやるとぐっすり眠れるし娯楽にもなる。海外ドラマでなくても運動しながらできる事なら何でもいい。P109
世界に誇る「ジャン憲法」
私の家には、古くから「ジャン憲法」というのがある。
それは、夫婦間もしくは家族たちのあいだで、何か意見の一致をみないことがあると、お互いに二度までは意見を主張し合うが、それでも決まらぬとなると、三度目はいつでもジャンケンで決めることになっているのである。
もともと同じ家庭内のことであるから、たいていのことはだれにも利害一致で、そうそう大問題の起きることはない。「ジャン憲法」を適用しなければならぬのも、実はどっちに決まってもいいようなことばかりである。ところが、このどっちでもいいようなことが、お互いに行きがかりの意地を張り合うと、つまらぬ議論になり、口争いとなって、家庭内が不愉快になりがちなものである。そこで、笑いながら、この「ジャン憲法」の適用によって最後を決するのである。
P136
老衰をふせぐ徒歩主義
一日に必ず二時間以上は歩いた。昼間少々歩き足りないと思った日は夕食後必ず散歩に出た。それもたいてい二里(8km)以上はつとめて歩くようにしたのである。短時間睡眠で、時間のほうは十分稼ぎ出してあるので、それだけの余裕はいつでもあった。
この徒歩主義のテキ面の効果は、つもり貯金の対象となる車代、バス代、電車賃の節約であったが、なんといっても一番の収穫は健康上の利益である。私の今日の人並みすぐれた頑健も、実に、半ばはこの足の鍛錬からきているものとみてよろしかろう。
ことにその日その日の大きな有難味は、よく歩くということが、取りも直さず、よく眠れるということでもあった。
P147
眠りを深くするには
普通人より深く眠る法であるが、それにはまず、頭と体とを適度に(あるいは十分に)働かせなければならぬ。私の徒歩運動は、頭を使うことの多い職業上の偏りをよく防いだもので、毎日の徒歩主義は、また毎晩の熟睡主義とも一致したのである。
私はいつでも、眠くならなければ眠ろうとしない。十分に疲れるまで、眠くなるまで働きつづけて、その上、全く安心―何もかもカミサマに返上した気持ちになって、毎日毎夜、横になるのである。そうすると、雑念も妄想もなく、床に入るとすぐグッスリ深い眠りに入れるのである。
しかし、たまには、いろいろとものを考えつづけて眠りつけないこともある。そんな場合は「おや、まだ眠る時間じゃないのだな」と思って、枕元の手帳を引きよせ、思い浮かぶことをあれこれと書きつける。つまり勉強の床上延長である。それがながくなっても、「いやまだ眠らなくてもいいんだ」と頑張る。頑張って頑張りつづけているうちに、いつしか本当に眠くなって眠るのであるから、これまたやはり熟睡ということになる。
よく人は不眠症になって困るというが、それは眠れないのをムリに眠ろうとするからで、眠れなかったら、それだけ儲けたつもりで、勉強に頑張れば自然に生理的な熟睡がとりもどせる。すでに、自然な、生理的熟睡であるからには、四時間もすれば自然にこころよく目が覚める。覚めたところでウジウジしないで、思い切ってパッと飛び起きることだ。
こんなぐあいで、熟睡が活動の基となり、活動がまた熟睡の因となって、善循環がどこまでもつづく。
それからまた、日中における眠りであるが、疲れを感じ、眠りにさそわれたら、その場で十分でも十五分でも眠るがよい。
もとより、睡眠の時間は、その人の体質と境遇で一定できないが、要するに疲れれば休む、眠くなれば眠る、その代り眠るとなれば深く眠り、十分に寝て、自然に覚めたらすぐ起きることだ。うとうとと浅く永く寝たり、床の中で目を覚ましてぐずぐずしていたりするのは愚の骨頂、ナマケモノの悪癖というべきであろう。
睡眠の深さという点から考えてみると、昼寝こそムダ寝より大いに利益がある。睡眠の深さはたいていの場合、いわゆる「寝入りばな」といって、最初にグッと深く、それからだんだん浅くなってくるものだ。心理学者の研究によると、全睡眠時間のあと四分の三よりも、初めの四分の一のほうがはるかに休養の目的を達するものだそうな。その点からみて、いたずらにしっぽを長く引いた長時間の睡眠や朝寝はつまらぬわけであって、できるだけそのしっぽのほうを切り取り、昼間の都合のいい時間に、ちょっとでも初めから出なおしたほうがいいわけである。すなわち、朝の一時間よりはヒルネの十五分間の方が睡眠効果があることになる。要するにヒルネは、この睡眠の最も深い谷を一日のうちにいくつもこしらえることで、忙しい人、時間を無駄にしない人には非常に大切なものなのである。
「人生計画の立て方」
P141
本田式貯金法のすすめ
さて、経済計画の根底となる貯蓄の実行であるが、それには何よりもまず、最も行いやすく、最も効果の多い、私の実践した本田式貯金法をお勧めしたい。
それは、通常収入の四分の一を天引き貯金に、臨時収入は全部貯金にといったしごく簡単なものだ。これでいくと、わずか二~三年で貯金の利子が通常収入に加わってくるので、通常収入は著しく増加し、案外楽に貯金でき、三~五年の辛抱で、その後はなんの苦もなく容易に四分の一貯金がつづけられ、十年ないし二十年ののちには意外にすばらしいものになるわけである。
もちろん、そこまで来る間、酒、煙草はいうまでもなく、一切の贅沢物や見栄を廃し、できるだけの倹約生活(半搗き米、味噌汁、野菜類とやすい魚介類の常用)で、貯金高の増大を楽しみつつ未来の光明に生きるよう一家気をそろえて努める。しかるときはだれでも十年ないし二十年後には、貯金の利子だけでもかなりな経常収入となってこよう。その上で酒煙草をたしなむなりなんなり、贅沢もある程度差し支えないが、さてそうなると、今度は健康長寿をめざしてくる点から、できるだけ贅沢を抑制するようになるのみならず、それまでの永い節約生活の慣習は、自然ムダをきらい、濫費を慎み、なかなかゼイタクをする気にもなれず、経済計画の実行と健康長寿の方策が期せずして一つのものとなって完全してくるのである。
「お金・仕事に満足し、人の信頼を得る法」
P16
人が何と思おうと、どう見ようと、それは自分の幸福には無関係で、ただただ自分で自分の心に快感を覚える状態が幸福なのだ。
外部に起こる事情を変更することや、人の性癖を直すことは容易でないが、自分の気持ちを取り直すことはすぐにできることだから、もしも物事が自分の望みどおり、思うとおりにならない時は、まず自分の欲望を抑制して、これを取り直すことにしさえすればよい。
こう言えば、幸福は自分の心の中にあるもので、外には関係のないようにもなるが、われわれの実際生活には、心の生活の半面に物質の生活があるから、努力実行によって物質的に満足を得ることと、心の修養によって精神的に満足することの二つの満足によってはじめてその幸福が実現されるのである。
P57
人が自分の悪口を言う場合、天に口なし、人をもって注意して下さると思えば、ありがたいわけである。
また人が自分の邪魔をする場合も、「艱難(かんなん)汝(なんじ)を玉にす」で、自分を大成させるために、天が邪魔をさせるのだと思えばなんでもない。とくに生まれた家の貧乏などは、何より大切な成功の素であると感謝すべきだ。
「たのしみを財産に変える生活」
P36
子孫を幸福にするには
必要以上に与えられた生活の余裕は、子供たちを怠惰、放縦、淫蕩に導く最大の原因である。だから子孫を真に幸福ならしむるには、その子孫を努力しやすいように教育し、早くから努力の習慣を与え、かつ努力の必要な境遇に立たせることである。
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